「私にとっての『おむつなし育児』は親子のコミュニケーションのための大事なツールのひとつです」




今回インタビューに出ていただくしみっちゃんはおむつなし育児をメインでやっていて、布おむつはあくまでその補助的なもの。「だから、私は布おむつに全然こだわりはありません。どんなカバーでもいいし、どこのメーカーのでもいいんです」と話します。

娘の麻琴ちゃんは、5ヶ月の時に初めてホーローおまるでうんちをしました。それからは、おまるイヤイヤ期でもうんちだけはおまるでしてくれていたそうです。「よっぱどおまるでうんちをするのが気持ちよかったんでしょうね」としみっちゃん。

めげそうになったこと、やめようと思ったことはありましたか?と聞くと「しょうっちゅうありました」との答え。おむつなし育児を始める前の時期は、本当に布おむつの洗濯が大変でめげそうだったとのことです。それでも布おむつを続けた理由は何だったのでしょうか。

寒い時のおむつなし育児のお役立ちアイテムも教えて下さいました。夜間のおむつ替えでも子どもが起きる心配のない、ナイスアイデアだなぁと思いました。

Q.自己紹介をお願いします。

大阪に住んでいます。しみっちゃんといいます。この子は麻琴で現在1歳4ヶ月です。

出産前は仕事中心の生活をしていました。妊娠がわかったときはびっくりしましたが、とても嬉しかったです。「わたしも母親になるんやぁ」って思いました。

それまで自分のことだけに時間をさいていたのが、娘が生まれてからは子ども中心の生活になりました。

おむつなし育児をメインでやっていて、布おむつはその補助的な役割で使用しています。

 

Q.布おむつ、おむつなし育児のきっかけを教えて下さい。

臨月に布おむつを縫ったのがきっかけです。

臨月まで仕事を続けていたので、産休に入った途端にたくさん時間ができました。縫い物や手作りをするのが好きなので、生まれてくる赤ちゃんのためになにか作ることにしました。生まれてからすぐに使えるもの・・・というとおむつかなと思って、布おむつを縫うことにしたんです。他にも赤ちゃんのニギニギやスタイなどを作りました。

布おむつを縫ったのはいわゆる産休中の暇つぶしでした。特に深く考えていなくて、ちょっとおむつ代を節約するくらいの軽い気持ちでした。

とはいえ布おむつのことを何も知らなかったので、図書館で布おむつの本を借りて読みました。その中に『おむつなし育児』のことが出てきました。それでおむつなし育児を知り「いいな、やりたいな」と思いました。

「手作りが好きでよく作っています。このカバンも手作りです」

 

Q.布おむつはいつから使いましたか。

生まれてすぐ使い始めました。現在は布おむつと紙おむつを併用していますが、新生児の時は昼も夜も布おむつを使っていました。産後で体力を消耗しているというのに、今思うと頑張りすぎていました

生後1ヶ月くらいからは夜は紙おむつにしました。

 

Q.おむつなし育児はいつからはじめましたか。

暖かくなる5ヶ月くらいのときからはじめました。

一番思い出に残っているのが、ホーローおまるに娘を座らせて、初めてうんちをしたときのこと。それまで布おむつでしかしていなかったから、いきなり座らせてまさか出るとは思っていなかったんです。

おどろくことに、それ以降はうんちはほとんどおまるでするようになりました。おむつでうんちをするのがよっぽど嫌だったんだな、って思いました。おまるでのうんちは開放感もあるし、気持ちよかったのかもしれません。

布おむつだけを使っていた時期は1日5回〜6回うんちをしていたので、おしりがかぶれるときもありました。布おむつにうんちをしたら、かぶれないようにきれいに拭いてあげないと、って思って神経質になって拭いていたからそれが嫌だったのかもしれません。

 

Q.麻琴ちゃんのおむつなし育児の状況を教えて下さい。

最初は順調でおしっこもうんちもおまるキャッチ率が高かったけど、9〜10ヶ月くらいになっておまるイヤイヤ期がきました。その頃はおまるにまったく座ってくれないような状態で、気分を変えるためにトイレに補助便座を置いて座らせました。するとイヤイヤも少しましになりました。

夏の終わり10ヶ月くらいのときに、京都のおむつなし育児のオフ会に参加しました。裸育児をしてるというお母さんがいて、オフ会中も子どもはがすっぽんぽんで。おおらかで開放的で・・・そんなふうにできるのがステキと思いました。私だったら、粗相したらどうしようとハラハラしてしまうところです。

それでも家でならできるかと思って真似をして、すっぽんぽんにしてみました。ほとんど垂れ流しだけですけどね。暖かい時期だったので「おしっこしそうやな」って思ったら、お風呂場に連れて行ってお風呂場でさせる。そしてシャワーで流してあげるということをしていました。

すっぽんぽんで過ごすのは子どもにとっても気持ちいいだろうなと思って。それに素肌は敏感に温度を感じ取るので、暑い寒いの温度調整を自分の体でしてくれるようになって欲しい、という気持ちもありました。

1歳1ヶ月くらいになると今度は補助便座を嫌がる様になって、ホーローおまるに戻したら座ってくれるようになりました。

イヤイヤ期の時は出るときも出ない時も「イヤイヤ!」とやっていたけど、最近はそれもおさまってきて、おまるに座ってくれるようになりました。でも座るだけで出ない時もあります。本当にもよおしていないときは嫌がります。ただ、イヤイヤ期の時でも、うんちは1〜2日に1回、ほぼおまるでしてくれていたのは助かりました。

ここ1ヶ月くらい、うんちは粗相をしていないからうんちに関してはおむつが取れたと言ってもいいかな。でもおしっこは全然まだまだで泣いてもくれません。そのうちですかねー。

 

Q.おむつなし育児に対するご主人の反応はどうですか。

すっぽんぽんの半分垂れ流し状態にしていることに関しては主人は「垂れ流しにする意味がわからない」と言っていい顔はしませんが、おむつなし育児に関しては協力的です。

うんちのときは娘がしっかりアピールしてきてわかりやすいので、私の手が離せない時などは主人に「座らせてー」って頼んだらおまるを持ってきて座らせてくれます。

娘が1歳になる前に私が3週間ほど入院したことがあるんです。主人は自営業なのでなんとか融通をきいてもらって、ずっと娘をお願いしていました。

おむつは紙おむつを使っていたけれど、うんちはおまるかトイレでさせてくれていたそうです。粗相(おむつでうんち)は1回しかなかったそうで、1回粗相したことをほんとうに悔しがっていました。

ふふふ、私としては主人にもいい経験になったんじゃないかなと。退院して家に帰ってきたらげっそりしてましたけど。

 

Q.布おむつ、おむつなし育児をしていてよかったことはなんですか。

 布おむつ、おむつなし育児を通して仲間が増えたこと。自分の世界が広がったことです。

 

Q.仲間が増えたこと、について詳しく教えて下さい。

結婚して大阪に来たので、新しい土地で一から関係を作っていかなければなりませんでした。子どもができて、ママ友ができました。ママ友と言っても、顔見知りですね。話をしても、布おむつを使っているとはなかなか言えなくて。

 

Q.どうしてですか。

「めずらしいね」「えらいね」という反応をされることが多いからです。私としては全然「がんばっている、偉いことをしている」という意識がなかったですから。でもそこから価値観の違いが目についたら、だんだんと話ができなくなってしまって・・・。だから、子どもの集まる場所に行っても、あえて布おむつの話題をすることはしませんでした。

そんなとき、大阪のおむつなし育児の会に参加しました。布おむつやおむつなし育児の話で「わかるわかる!」ってことがたくさんあって、育児の話をしても価値観が似ているので共感しやすかったんです。

おむつなしや布おむつを選んでいる人というのは昔ながらのなるべく自然な育児方法をされいている方が多い

私も昔ながらの育児方法をしたいと思っているので、他の人の話を聞いて取り入れようと思うことがたくさんあります。それまではまわりに布おむつやおむつなし育児をしている人がいなかったので、あうんで話が通じるというのは楽やなぁって。

それからは外出先でも誰に遠慮することもなく、子どもも布おむつで連れて行っておむつ替えもするし、トイレにも連れて行くし・・・。もともと遠慮することでもなかったのですが、やってみると案外布おむつの人が近くにいることがわかりました。

それまでは自分の中で布おむつを使っていると言うことが恥ずかしい、ちょっと貧乏くさいというイメージもあったのですが、そんな気持ちもなくなりました。

 

Q.自分の世界が広がったこと、について詳しく教えて下さい。

それまでは仕事仕事で趣味と言えるものがありませんでした。

ですが、布おむつを通して興味が広がりました。布を使ってハンドメイドをしたり、たまねぎ染めをしたさらしのおんぶ紐を使いおんぶ育児をしたりしています。

また、三砂ちづるさんの本を読みあさって、月経血コントロールを知って試したり。着物の本を読んで影響され、着物を着ようと思い、現在は着物教室に通っています。お母さんやおばあちゃんの着物がたくさんあるんです。こういうのもみんな、おむつなし育児をしようと思ったときから広がったんです。

麻琴の節句にむけて、親子二人の着物を作りました。今は七五三着物も作っています。

 

Q.着物に惹かれる理由はなんでしょうか。

単純にかっこいい、と思ったからです。

三砂ちづるさんの本を読んだことがきっかけですが、おむつなし育児の本を出されている西山由紀さんのお話を聞きに行った時に、西山さんが着物を着て来られました。とても凛とされていてかっこよかったです。いわば憧れです。確かに節目節目の行事で着物を着ることも格好いいんですが、やはり普段着としての着物を楽しみたいと、自然に思うようになりました。実家の押し入れにしまいこまれた着物がたくさんあるのを知っていたので、これは着物を始めるチャンスかなと思いました。

着物を着ると体の軸が分かるようになるらしいです。そしてこのことは、月経血コントロールをする上でも大切なことです。

そして、何故か布おむつ使用のお母さんには着物が好きな人が多いということが分かりました。私の周りでも着物が好きな人がいたので3人で着物の会を作っちゃいました。

 

Q.布おむつ、おむつなし育児をめげそうになったこと、やめようと思ったことはありますか。

布おむつの予洗いが大変で、やめたいと思ったことはしょっちゅうありました。

今はつけ置きして洗濯機にポンですけど、おむつなし育児を始める前、洗うことがすごく大変な時期がありました。何重にも洗ってしんどいし、やめようと思いました。

 

Q.それでも布おむつをやめなかったのはなぜですか。

やめなかったのは、子どものおしりにとってはやっぱり布がいいだろうと思ったからです。

紙おむつでは荒れてしまっていた娘のおしりが、布おむつを使うことできれいなおしりを保っていたんです。

今もですが、私は紙おむつにしてると、何時間も同じおむつのままでほったらかしにしてしまうんです。あまりにもほったらかしにしてしまうから、この子のことを全然見ない状況になってしまって、それじゃいかんと思って布おむつを続けました。

その後おむつなし育児をはじめて、うんちはおむつにしなくなって、布おむつの洗濯はほぼおしっこだけになったので、洗濯がすごく楽になりました。

たまにおむつにうんちするときもありましたが、うんちも固まってきたのでトイレにポロッと落ちます。しっかり洗わなくてもおひさまの力でキレイになる。予洗いが適当でも、並べて干して乾いた時にはどれがうんちで汚れていたおむつかわからないというくらいおひさまの力でキレイになります。

私は不器用で家事や自分のことをしていると、子どもを気にかけずほったらかしにしてしまいがちです。そんな中唯一、随時気にかけてあげられるのが、おむつやおしっこのことでした。

おむつなし育児はおむつ以外のところで排泄をするのが子どもにとって気持ちいいいだろうからというのもあるけど、おむつなし育児も布おむつも排泄を通してのコミュニケーションという意味合いが強いです。

そういう意味で、私にとってのおむつなし育児は、親子のコミュニケーションをとる、とっても大事なツールとなっているのです。

だから、布おむつにはこだわりはありません。カバーは何を使ってもいいし、メーカーも気にしない、折り方も工夫したことはありません。

 

Q.おむつなし育児や布おむつで、これイイよ!というのがあれば教えて下さい。

やり手水(ちょうず)はおすすめです。イヤイヤ期のときなどに、気分転換になりますし、急いでいるとき、今はおむつ濡らしてほしくないなーっていうときに、さっと庭などに捧げたりするのがおすすめです。

暖かい時はおむつバンドに輪おむつを挟んだだけのふんどしスタイルが良かったです。

冬は股の部分を大きめにチョキチョキ切っただけの自作の股割れタイツが便利でした。上からおむつをして、お股の部分がちょうどおむつでかくれるような感じです。寝ている時はそおっとおむつの交換ができるすぐれものです。ズボンだと脱がせているあいだに起きちゃったりするので。

 

Q.布おむつ、おむつなし育児に興味のある人に向けて一言お願いします。

気軽に始められると思うんです。紙おむつを使っていてもおむつなし育児はできる。おむつはずしを目的とするんじゃなくて、コミュニケーション目的で始めると気が楽です。ホーローおまるも布おむつも、そういうもの、何も用意しなくてもできるんです。

やってみると意外に楽ですし、おむつはずしにこだわらなければ楽しくできると思います。

 

Q.ありがとうございました!

しみっちゃんのブログではもっと詳しいおむつなしの記録が読めます(*^^*)
母と娘のやさしい布生活〜おむつなし育児の記録〜

取材日時2013年2月