Q、自己紹介をお願いします。
10歳、7歳、3歳の男の子たちの母です。布おむつ&おむつなし育児は、現在3歳の末っ子にしました。
Q,いつから布おむつを使っているのですか。
末っ子の退院後からです。長男の時に布おむついいなぁと思って、揃えたものがあったのでそのまま使いました。

Q,布おむつのことはどのように知りましたか。
年の離れた弟が布おむつでしたので、小さい頃から知っていました。長男と次男の時はどちらもトライしたけれど漏れるのが嫌ですぐやめてしまいました。今回は退院後からずっと布おむつを使っています。
Q,今回も布おむつ使用で濡れることもあったと思うのですが、布おむつをやめなかった理由はなんですか。
次男を出産した後から自分が布ナプキンを使うようになりました。
紙ナプキンは痛くて冷たいから嫌だなぁと思うようになっていましたので、赤ちゃんにも紙おむつは痛くて冷たいから可愛そうだなぁ、赤ちゃんも綿の下着の方が気持ちよいだろうと思っていました。 だから、濡れることはありましたが、代わりに紙おむつにしようと思うことはありませんでした。
Q,これまで使った布おむつを教えて下さい。
小さい頃は、輪おむつとおむつカバー。 0歳の後半になって活発に動くようになると、ずれてしまうので、トレーニングパンツも使いました。おしっこしそうな時は輪おむつをはさんだり、うんちしそうな時は、捨てるボロ布をはさんだりしていました。
1歳になると、完全にトレパンか綿パンで、外出時だけ輪おむつを挟みましたが、おむつなし育児をしていたせいか、外出先でもらすことはほとんどありませんでした。 そして夜だけは、6ヶ月の時に夜中のお漏らしがなくなったので、早い時期から綿パンツで気持ちよく寝かせてあげられました。

Q,おむつなし育児のお話が出てきましたが、おむつなし育児に興味を持ったきっかけを教えてください。
おむつなし育児の本(『赤ちゃんにおむつはいらない』三砂ちづる著)を、三男妊娠中に頂いたんです。 面白そうだなというのと「赤ちゃんだって、本当は仰向けに寝たままおしっこやうんちをしたくないんです」というような下りを読んで、なるほどそうだよね、と妙に納得したのがきっかけでした。
その本には、新生児でもささげるとチーとおしっこできると書いてあって、本当かしら?面白そうと、季節は真冬でしたが1ヶ月目くらいから試してみました。
Q,どのように実行しましたか。
その頃の赤ちゃんは、たいてい授乳中にうんちをしていましたので、洗面器や自分の手をあたためてから、おむつをはずして洗面器に入れて、授乳してみました。すると、本当に、ひととおり飲むと、ちょっと飲むのをやめて、ぶぶぶっ!と出すんです。それはそれは面白かったです。赤ちゃんも、おしりが汚れることもないし、気持ち良かっただろうと、勝手に思い込んで自己満足して楽しんでました。
おしっこも、時計を見てたのもありますが、あ、そろそろ出るかもなー、と思ったら、おむつをはずして洗面器にささげて、チーってやってごらんとチンチンを触ると、本当にチーッとやるんです。毎回必ずではなかったと思いますが、それはそれは楽しかったです。
生後数ヶ月で、もう、お腹をりきんでチーっとおしっこする赤ちゃんを見て、あ、排泄力ってこんな小さい時期に育つものだったんだ・・紙おむつだと時期を逃してしまうんだな・・と実感して、上の子たちに申し訳ない思いもしました。同時に、知っていて(?)そのことを隠して紙おむつを勧めるメーカーってヒドイ・・とも思いました。


Q,新生児の赤ちゃんも排泄できるんですね!順調におむつなしがすすんでいるように見えますが、その後はいかがでしたか。
6ヶ月すぎたくらいからはじっとしなくて・・・洗面器にかざしても、すぐ寝返って脱走! そんなわけで、洗面器で排泄しているのは一日一回くらいでした。うんちは少しずつ固形に近く、一日一度の日も多くなってきて楽になってきました。
9ヶ月くらいになると、トレーニングパンツとズボンにしていました。理由は、すぐに寝返って逃げちゃうのでおむつカバーを履かせるのが大変だったから。それでも、冬になるとズボンが乾きにくくなってズボンがなくなってしまって、そんな時はまたおむつカバーを履かせたりして乗り切りました。
うんちは感覚が分かりやすいのか、この頃になるとほとんどオマルで出来ていました。おしっこは、出そうな頃にトレパンに輪おむつを一枚はさんでおけば床掃除の手間が減ります。
1歳になるとすぐに、歩くようになったので本当の「おむつなし」、トレパンか綿パンツと、ズボンにしました。もう、おむつカバーだと歩くとずり落ちてしまって無理でしたので卒業しました。
タイミングを見て連れて行けば、ちゃーんとトイレでやりますが、連れて行かなければ漏らすし、タイミングが違えばトイレも嫌がる。 なので毎日たくさん洗濯していました。

外出の時は、輪おむつを半分に切って小さくしたものをはさんでいました。
1歳1ヶ月頃になると、まだ上手くおしゃべりできないのに、タイミングを教えてくれるようになりました。うんちが出そうになるとへんな顔で私を見つめにやって来て、あわててトイレに連れて行くとすぐに出るんです。おしっこは、漏れた後ですが「でたった!」と言ってシャツを脱ごうと私の所に来るようになりました。
それに、たまに自分でおトイレに行くようにもなりました。気づくと一人でトイレに居て! あわててパンツを下ろして座らせると出るんです。
そんな姿をみて、おむつなし育児だと赤ちゃんが自分でトイレトレーニングできるんだなぁって感心しました。 紙おむつでおむつはずれが遅かったのは、大人の都合だったんだって。
その後は、1歳半の時点では成功と失敗が半々くらいだったのが、1歳7ヶ月になると急にコントロールできるようになって、1歳9ヶ月にはおむつはずれ。漏らすことがなくなって、さらには、トイレを促す必要までも全くなくなっていました。
Q,お兄ちゃんたちのトイレトレーニングとなにか違いはありましたか。
上の子たちのおむつはずれは3歳近くでした。本人に排泄する感覚が全くなかったようで、その点がトイレトレーニングを長く難しいものにしていたと思います。紙おむつだと排泄してるのが分からないほど、ある意味快適なんですね。この感覚は0歳〜1歳のうちに育ち終わるものなのかもしれません。
あと、上の子たちは、初めのうち一度の排泄の量が少なかったのも苦労した点でした。これも、紙おむつで排泄感がなかったために垂れ流しになっていたのかもしれないと後に思いました。
Q,布おむつ・おむつな育児をしていてよかったなと思うことはなんですか。
エコでレトロで人間的な感覚が戻ってくるのを感じました。 布オムツが干してあるのが嬉しいと思ったのは、この人間的な感覚が戻ってきたことが、上の子たちの赤ちゃんの時に比べて大きかったからだと思います。 三男坊なので、着るもののお古も大量にあったし、完全母乳だったし、この子用に特別何も買わないでどこまでいけるかなーと楽しみながらやったのも面白かったです。
そして、赤ちゃんグッズってなくても良い物ばかりだったんだなあと思いました。 本当に必要だったのは、スリングとおんぶ紐とベビーカーぐらいでしょうか。 ストローもマグマグも必要ないと思ったので、飲み物はコップで飲ませてみましたが、はじめから上手に飲んでました。
あとは、おむつなし育児をやっていたので、三男のかわいいチンチン、三人兄弟の中で一番じっくり見たなーと(笑)

Q、逆に大変だなと思ったことはどんなことですか。
はじめの頃はおむつにゆるいうんちが付くので、予洗い用バケツを部屋に用意していて、それを運ぶのが大変でした。うんちが固形になるころから風呂場にバケツを置けたので楽になりました。
Q,はじめのゆるいうんちで大変さを感じて、布おむつをやめようかと思っている人も多いと思うのですが、その頃に工夫していたことがあれば教えて下さい。
捨てる服や布がたくさんあったので、それをおむつの大きさより少し大きめに切ってたくさん用意していました。おむつの上に敷いて、うんちの時はそのまま捨てちゃう。そうするとすごく楽です。
Q,他にも布おむつ、おむつなし育児で工夫していたこと、これば便利!というグッズなどあれば教えて下さい。
外出時もタイミングが分かるのにおしっこ採ってあげないのは可愛そうだなーと思い、洗面器が入る可愛いバックを用意しました。学校や幼稚園、保健センターの部屋の隅でもささげましたが、うまくキャッチできました。赤ちゃんを隅に連れて行くのはおむつ換えなどで良くあることだし、意外とやってみる怪しく思われることもありませんでした。
0歳の時、新幹線の中でおしっこ我慢してるかなと思ったときには、窓際に隠れて布おむつをチンチンに直接当てて、チーしていいよ、とささやくと、チーと出しました。まだ小さかったから輪おむつ一枚で十分吸収できる量でしたので。まだ臭くなかったので良かったけど、食べ物食べるようになると臭いが出るのでお勧めできませんが。
Q,あなたにとって布おむつ・おむつなし育児とは。
自己満足(笑)赤ちゃんとの楽しい思い出です。
上の子たちを育てるうちに、シュタイナーや自然育児が漠然といいなぁと思うようになっていましたが、三男をおむつなし育児するうちに、自分や子供たちの自然力や人間力のようなものを感じるようになってきました。 うまく説明できないのですが、○○を使わなくても昔の人はできてたんだから、自分たちもできるはず。というよりも、そちらの方が人間として普通のやり方じゃないのかな、って。
いろいろな既製品って、必要なかったのに、必要と思い込んで使ってたな。残念だった、って思うようになって、この人間力があれば、紙おむつもいらなかった!粉ミルクもいらなかった!タマヒヨの育児書もいらなかった!離乳食も瓶詰めなんてまずいもの食べさせる必要もなかった!とようやく気がついた感じです。
必要なかったを通り越して、使ってしまったからこそダメになったもの・・・たとえば、紙おむつでいえば排泄力が育つ時期に育たなかったこと、粉ミルクでいえば、一人目で母体が一生懸命母乳を出そうとしてるのに、母乳の後に粉ミルクと足すよう指導されて(産院に入ってる乳業メーカーから)、手間も増えるし母乳もなかなか出ない。なにより、人間の赤ちゃんに人間のお乳でなく、昔の健康な母ならあげないであろう牛のお乳でできた工業製品を特別な理由もなくあげてしまったことなど。
産院って、妊婦(母親)のための病院なんですね。小児科は子供のためで、助産院は、たぶん、妊婦と赤ちゃんのための院なんだと思います。こんなことも知らずに産院で産んでいました。
豪華な産院でしたが、眠れない、といえば母乳なのにどんどん睡眠薬をくれましたし、母子同室でないので、「ミルクはやらないで欲しい」とお願いすると、夜中だとナース室の明かりが灯る中で授乳することになってしまいました。 連日、乳業メーカーや紙おむつメーカーの、調乳指導、栄養指導などが目白押しで、赤ん坊とも一緒になかなかいられませんでした。
でも退院して、三男をおむつなし育児するうちに エコでレトロで人間的な感覚が戻ってくるのを感じました。この感覚のお陰で、布おむつが干してあることが嬉しい、おっぱいと同じようにおしこおやうんちのタイミングが分かってしまうのが嬉しい。
この子がたぶん最後の育児なんで、思う存分大変な方を選んで育児を楽しみたいなぁって思ってました。 同時に、上の子たちへは、おやつに干し芋を作ったり、梅干や干し柿を自分たちで作ってみたり、とにかく既製品でなく原料を買ったり育てたりして暮らすようになりました。本棚や机なんかも手作りしてみたり、果実のなる木や野菜を植えてみたり。 子供たちもそんな仕事が楽しいし、なによりおいしい!と言ってくれます。
Q,これから布おむつ使ってみようかと思っている人、おむつなし育児をやってみようという人に一言お願いします。
赤ちゃんも気持ちいいと思うと楽しいです。自己満足の範囲でいい加減にやるのが楽しいと思います。

Q,おいそがしい中、ありがとうございました!
取材日時2012年12月